トピアリーとは、植物を人工的・立体的に形づくった造形物のことです。
もともと“刈り込む”という意味で 、幾何学形や動物の形に刈り込んだ樹木を指しています。
16世紀以降のヨ-ロッパで技法が本格的に普及し、円錐や球体の幾何学的な樹木は、ヴェルサイユ宮殿の庭園などにも見ることができます。
アレンジメントの世界のトピアリーとは、花器から伸びた幹の頂部に、お花を球状などに成形した作品をいいます。
まんまるの独特のカタチは、見た目にも可愛らしいですね。
制作の際に一番注意する事は、綺麗な球状になるように、花材を仕込んでいく事です。
表面に凹凸ができないようにきれいな丸に仕上げるために、いつも全体を見ながら、部分部分の作業を進めます。
上部にボリュームのあるプリザーブドフラワーのトピアリーの場合、重心が高くなるので、茎部分をしっかりと花器と固定させることが大切です。
初歩的なことですが、軸をベース部分に垂直に立てるのも、予想外に難しいんですよ。
左:
大人色のプリザーブドフラワーのアジサイをベースに、明るいトーンの実ものをアクセントに加えた、ナチュラルテイストのトピアリーです。
球体部分を一つの素材でまとめると、場合によっては、ぽってりして野暮ったい雰囲気になるので、大きさの違う数種類の素材を加えて、立体感を出した作品です。
花器や球体に比べて、茎の太さが細くバランスが良くなかったので、よろこびの森のネームプレートを加えて、トピアリーの中間部分にボリューム感を与えました。
中央:
小分けにしたプリザーブドフラワーのカーネーションをベースに、アートのリンゴや小花を加えたトピアリーです。
球状になっているトピアリーは表面積が広いので、通常のアレンジメントよりもたくさんの花材が必要です。この作品では、小さいサイズのカーネーションを、20輪程度使っています。
プリザーブドフラワーアレンジメントの面白いところは、花材を小分けにしたものアレンジメントで使えるというところです。このトピアリーも、一つのカーネーションを3~4つぐらいに小さく分けて、それらをワイヤーでまとめたものをスポンジの土台に挿しています。
花器に乗ったフェイクのリンゴが、可愛らしさをさらにアップ。ちなみに、このトピアリーのタイトルは、「ウイリアムテル」でした。
右:
ドライフラワーの麦を根元で束ねただけの、シンプルなトピアリーです。
一見簡単に作れそうですが、穂の部分を放射状にバランスよく束ねるのに、随分苦労しました。
横から見てバランスが良くても、上から見ると穂が綺麗に分散していなかったり・・・。
穂先の高さを揃えるのも難しく、「シンプルな形はごまかしが効かず、技術がいるなあ・・・」と実感した作品です。